新人看護師でうつを発症し休業に追いやられた暗黒時代のエピソード

看護師の仕事

最悪な日々の幕開け

私は、元看護師です。以前は、福岡県福岡市にある某総合病院で働いていました。
社会人就職するために、地元を離れ田舎から知り合いの居ないこの地に引っ越してきました。

地元を離れるからには、ここで看護師のスキルや実績を積んで、絶対一人前の専門職になる!と心に決めていたのです。
当時、私は23歳の新人看護師でした。自分で言うのもなんですが、普段から人づきあいも悪い方ではありませんでしたし、初めて会う人とも楽しく話せる社交的な一面も持っていました。

まさか、これから働く職場が私にとって最悪な日々の幕開けとは全く知らずに・・・。

いよいよ先輩方との初対面!

忘れもしない、初めての出勤日のことです。緊張しながらも、どんな職場でどんな先輩方が待っているのだろう、とワクワクしていたのを今でも覚えています。
真新しい白衣に袖を通し、白いストッキングを履き、今では珍しいナース帽を頭に付けてすべての準備は整いました。

入社式には、約60名程の新人看護師が出席しており、同じ部署の同期メンバーともすぐに打ち解けることができました。よし、頑張ろう!とより一層強く心に決め、いよいよ先輩方との初対面を迎えました。

今思うと、初対面のイメージから最悪だったような気がします。

最初からイメージが最悪だった気が・・・

先輩方が待っているナースステーションに足を踏み入れた時のことです。新人看護師の私達へ向けられている視線が、ズンズンと突き刺すような感じがしました。さすがに、その状態ではまともに先輩方の顔を見ることもできません。こんな最悪な初対面を皮切りに、慣れない仕事の忙しさに追われ、良好な人間関係も築けずに約半年後には一人の殻に閉じこもっていくのです。

入社してから、2か月が経過しようとしていた頃のことです。新人看護師には、先輩看護師が担当の教育係になっているのですが、私の担当看護師はいつも自分の仕事が終わったら帰ってしまいます。

私は、毎日の決められた課題(疑問点や知らない病名、治療方法、看護ケアについての宿題)に取り組み担当看護師のデスクに課題ノートを提出していました。その課題について、約2か月の間 何も返答やコメントすらもらえていません。

先輩方を見ていると、患者様の入退院や他の部署からの転棟など、すごく忙しそうだなとは感じていましたが、いい加減一言あってもいいのでは、と本音では思っていました。

職場に行くのが苦痛の日々

ある日、担当部屋を任された時のことです。担当看護師と仲が良い先輩から、突然 仕事の段取りが悪いと怒鳴られる場面がありました。あまりに突然のことで、私は頭が真っ白になり何も言葉が出ませんでした。その先輩は、怒鳴り始めてからしばらく感情を抑えきれない様子で、見るに見かねた副院長が注意してくれたエピソードがありました。

その時は、驚きとショックで全く言葉が出せず、途中で副院長が止めてくれなければ、私は一体どうなったいたのだろう、と考えてしまいます。
それからの半年間は、職場に行くのが苦痛でたまりませんでした。1か月経ち、2か月経ち・・・時間がいくら経過しても、どんなに課題を毎日出し続けても、先輩達との距離は縮まらないばかりか遠くなるばかり。

ここで、頑張って何の意味があるのだろうか?私の未来は?もっと違うものになっていたはずなのに。毎日が自問自答するようになりました。仕事は朝早くから、帰りは遅い時間までが当り前でしたし、先輩方より早く帰れる新人看護師は一人も居ませんでした。まるで、暗黙のルールのようになってることが、私には信じられませんでした。仕事に来ているだけなのに、お決まりのように罰ゲームをさせられているような気持ちでいました。

うつの初期症状が出始めていた・・・

そんな中で、たまにでしたが1か月に1回くらいは17時に帰れる日がありました。同期の友人は、嬉しそうにしていましたが私は、もう限界にきていました。うつの初期症状が出始めていたのです。自分自身は、うつと診断されても信じられず薬を服用することも拒否していました。
私の心の悩みは、薬だけで治らない、簡単に解決できないと思っていたからです。

結局、私は先輩方だけでなく同期のメンバーとも距離を置くようになりました。誰も、自分のことを理解してくれる人は居ない、と決めつけてしまったのです。

しばらくして、職場にも足が向かなくなり一人で部屋に閉じこもるようになりました。
こうなってしまった一番の原因は、心を開ける友人ができなかったこと。また、自分の居場所を見つけられないまま、仕事と人間関係のストレスが心に大きなダメージを与えてしまったことが原因だと思います。

引きこもりになった私のその後・・・

それから、私がどうなったかと言いますと・・・

看護部長の適切な計らいがあり約2週間の休暇をもらいました。心身を休める充電期間を持つことができたのです。場所や環境を変え、自分のことをよく理解してくれる人達と過ごす時間は、これまでの事を嘘ように無いものしてくれました。

充電期間を終えた私は、自分から部署願いを出し、今の自分に合った職場に変えてもらいました。部署を異動するのは、正直 勇気がいることでしたがすぐに友人ができて、楽しい職場で自分の居場所を見つけることができました。

私にとって必要な経験だったのだと改めて思っています。しばらくは、心の傷になり職場や先輩方のことを憎むようなこともありましたが、前に進めたことと元の自分を取り戻せたことが今では貴重な経験となっています。

でも、私のようにうまくいくとも限りませんし、もし部署移動ができない病院であれば私は間違いなく職場を辞めていたと思います。

看護師の仕事はいくらでもありますし最悪の場合、隣町にでも行けばいくらでも仕事はあるじゃないですか。

しかも今の時代だったらネットで仕事が見つけられますし、仕事が休みの時にチャチャッと、「働く前にどんな職場かよく分かる看護師専用の転職サイト」とか「求人件数No.1の看護師転職サイト」などで仕事を探してみるのがいいと思いますよ。