看護師の超過勤務は「勉強時間」だって!?はあ、マジふざけんな!

看護師の仕事

勤め始めた病院は「ブラック病院」

私は和歌山県に住む30代女性の元看護師です。その病院には新卒のころから28歳までつとめました。
はっきりいってブラック病院でした。いつも出勤1時間前には病棟に入り、仕事の段取りとしてその日にしなければいけない検査や処置、ケア、点滴をピックアップし、たくさんの準備をしていました。ベテラン看護師でも勤務開始時刻の45分前には出勤していました。
そうしないと日々の業務に間に合わないのです。

また、その病院ではなぜか看護助手も病棟に1人しか配置しておらず、医療行為の伴わない物品補充や掃除などの雑用も看護師がし、さらに悪いことには私の勤務していた病棟は重症な患者が多く、なにをするにも医療処置や観察と医療的介助が必要となるため、看護師が人手不足の状態でなんとか日々の業務をこなしていました。

若手は頑張っていたが・・・

重症患者がいるということはそれだけ病棟内で死亡する患者や急変する患者も多く、処置も増え、その処置を看護記録として残さなければならないので業務も増えます。私がつとめていた間は全員が終業時間に終わることはまったくありませんでした。

そんな忙しい業務の中でもつらいのははじめの3年、3年たてばある程度は一人前に認めてもらうことができる・・・。そう先輩たちから聞かされていたので私たち若手は頑張って業務をこなしていました。

当時28歳の私の下には3人ほど若手がいました。それぞれ21歳、23歳、24歳でした。しかし、毎日の業務も多忙なうえ、職場の雰囲気は業務に追われて常に緊迫感といら立ちが混ざっているピリピリした状態…。先輩からの圧力も大きく、若手たちは次々と退職し、新しい転職先の病院へうつっていきました。

超過勤務は勉強時間!?

ある日、私に急変した患者のため処置をし残業してしなくてはいけなくなるような事態が起きました。私ももうつとめて6年目です。まだまだたしかに経験は必要ですが、今まで何回も繰り返しやってきた処置です。十分に対応できます。私は自分でいうのもなんですがきっちり仕事をこなし、超過勤務手当を申請しようと思いました。

私の病院は実はタイムカードがありません。なので、職員がいつ来て帰宅したかは記録するものはなく、そのため残業をすると超過勤務申請用紙に記入し、上司に提出します。用紙には自分が残業をきちんとしていたという証明のため、そのときに居合わせた看護師が認めの印鑑を押すようになっていました。

私は他の看護師に超過勤務を認めてもらうために印鑑をお願いしたその時でした・・・。

上司や先輩ナースが残業代の申請を認めない風習

いやみが多くて有名な50代の看護師が若手は勉強になるんだから超過勤務手当の申請は遠慮すべきだと言ってきたのです。
この病院は暗黙の了解により、特に若手看護師の超過勤務の残業手当についてはまだまだ経験が浅く勉強しなければいけないのだから・・・。
という理由で上司や先輩ナースが残業代の申請を認めない風習がありました。

ですが、私はもう何回も今日残業としてしたその処置を一人でこなしているし、先輩ナースも私に一任してくれています。私は直属の上司に翌日いきさつを話しました。

「今回は勉強ということで」・・・って、はぁ?!ふざけんな!

上司は困った顔をしながら微笑み、「そうか」と言いました。4時間ほどして声をかけられ、「今回は勉強ということで超過勤務の申請はちょっと・・・」と言ったのです。
たしかに私に超過勤務申請を遠慮するように言った先輩ナースの対応ははっきりいって面倒なものであるとは知っていました。でもそれも個性です。それを統合して組織を引っ張っていくのが上司なのではありませんか。私は失望しました。
どおりてこの病棟はちっとも勤務時間内に業務を終わらせることができてないはずだ。業務整理ができていないんだ…と。

私は退職することを決意し、看護部のトップである部長に話をしに行き、退職という形をとりました。今では精神衛生良く毎日暮らしています。